業種 建設業 従業員数 約200名
支援内容 現状調査/ベンダー選定支援/相見積もり比較/工事立ち会い/セキュリティ教育
この事例のポイント
- 3社以上の見積もりを一覧化し、「感覚」ではなく「数字」で選べる状態をつくった
- 新規設置か交換かを、追加費用と既存システムへの影響から見極めた
- 機器の入れ替えで終わらせず、セキュリティ教育まで一体で提案した
1. 見積書が3通届いても、比べられない
ネットワーク機器の入れ替えを検討し始めると、まずベンダーから見積書が届きます。しかし、そこに書かれているのは機器の型番と金額。それが妥当なのか、他社と何が違うのか、社内に判断できる人がいない
——これが多くの企業がつまずく最初の壁です。
今回ご相談いただいた建設業のお客様も、ルーターやハブの老朽化により通信速度の低下や安定性への不安を感じながら、「どこに頼むべきか」「何を基準に選ぶべきか」が定まらないまま、対応が先延ばしになっていました。

2. 最初にやったのは、機器選びではなく「比較軸づくり」
支援にあたって最初に行ったのは、製品の提案ではありません。何を基準に選ぶのかを決めることでした。
基準がないまま提案を受けると、話がうまい会社や、単純に安い会社が選ばれてしまいます。それが数年後の保守費用や拡張性で跳ね返ってくることは珍しくありません。そこで現状のネットワーク構成を調査したうえで、次の観点を整理しました。
| 比較の観点 | 確認したこと |
|---|---|
| 費用 | 機器費・作業費・保守費用。初期とランニングの内訳 |
| 方式 | 新規設置か、既存機器の交換か |
| 通信 | 有線・無線のバランス、必要な通信速度 |
| プラン | 専用VPN、回線増強、帯域確保型など用途別の選択肢 |
| 影響 | 現行システムへの影響、切替時に業務が止まるリスク |
3. 「新規設置」を選んだ理由
検討の分かれ目になったのが、既存機器を交換するか、新しく設置するかという判断でした。
一見、交換のほうが安く見えます。しかし新規設置の場合、追加でかかるのはケーブル敷設などの費用にとどまり、既存システムを触らずに済むため切替時のリスクが小さい。この点を費用と運用の両面から比較し、最終的に新規設置を選択しました。
こうした判断は、見積書の金額だけを見ていては出てきません。
4. 工事、そしてセキュリティ教育へ
社内展開の準備とテスト運用の期間を設け、運用に問題がないことを確認したうえで、工事・設定・切替を実施しました。
そして機器の刷新をきっかけに、標的型攻撃メール訓練などのセキュリティ教育もあわせてご提案しています。ネットワーク機器を新しくしても、従業員が不審なメールの添付ファイルを開いてしまえば意味がありません。ハードとソフト、両方から底上げするという考え方です。

この事例から言えること
情シス部門を持たない企業にとって、ネットワーク機器の選定は「相手の言葉で判断させられる」構造になりがちです。だからこそ、提案を受ける前に自社側の比較軸を持つことが、費用にも運用にも効いてきます。
私たちの役目は、機器を売ることではなく、お客様が納得して選べる状態をつくることだと考えています。

